カーリングシトーンズ、ファン待望の最新ライブ映像商品リリース決定!!
カーリングシトーンズ最新ライブ、ファン待望のパッケージ化決定!
東京ガーデンシアター公演を映像作品として12/29(水)リリース!!
2021年12月29日発売
『またか!いい加減にシトーンズ!~Live at 東京ガーデンシアター2021.03.16~』
カーリングシトーンズ最新ライブ、待望の映像化!
2021年3月16日に行われた東京ガーデンシアター最終日公演をノーカットで収録!!
映像特典のBonus Trackには、前日3月15日に行われた初日公演の日替り企画コーナーも収録し、余すところなくカーリングシトーンズの魅力を詰め込んだ映像作品。さらにライブCDも同封されたスペシャルパッケージ。
■Blu-ray (BD+CD)
価格:9,000円(税別)
品番:MUXD-1024/5
■DVD (DVD+CD)
価格:8,000円(税別)
品番:MUBD-1088/9
【音楽評論家 平山雄一氏による解説】
「ライブが決して不要不急でないことを証明し必要なものとは何かを痛感させてくれるコロナ禍に刻まれた貴重な2時間だ。」
この映像作品は絶対に観た方がいい。ライブシーンにとって暗黒のシーズンとなった2021年を振り返るとき、3月に行われたカーリングシトーンズの『またか!いい加減にシトーンズ!』は間違いなく年間ベストライブのひとつに数えられることだろう。手作り感満載の音楽をメンバーとオーディエンスが楽しく分け合った2時間は、本当に感動的だった。その全編をノーカットで収録した本作品は、バンドのライブの真髄を体現していて、ライブが決して不要不急でないことを証明している。それどころか、人と人との距離が遠くなった今だからこそ、必要なものとは何かを痛感させてくれる。コロナ禍に刻まれた貴重な2時間なのだ。
カーリングシトーンズは寺岡呼人のソロデビュー25周年を記念して2018年に結成され、大きな話題を呼んだ。寺岡シトーン、奧田シトーン、斉藤シトーン、浜崎シトーン、キングシトーン、トータスシトーンという多彩なメンバーは、80年代後半から90年代にかけて起こったバンドブームの“良心”といえる面々。全員がライブのスペシャリストであり、全員が飛び抜けたユーモアセンスの持ち主で、まるで“音楽の大喜利”のような彼らのライブが面白くないわけがない。友達同士の他愛ない雑談のような楽しさがあって、ある意味、コロナの時代にぴったりのライブなのである。『またか!いい加減にシトーンズ!~Live at 東京ガーデンシアター2021.03.16~』に収められているライブには、自粛続きで乾いて固くなってしまったオーディエンスたち(僕も含めて)の心を、ときほぐすような愉快さが詰め込まれている。
僕はカーリングシトーンズの6人のそれぞれと、デビューの頃から付き合いがあり、彼らの節目節目のライブを観てきた。だからこそこのバンドの結成が嬉しかったし、メンバー自身がこのバンドを目一杯楽しんでいるのがよく分かる。彼らは人間的にも音楽的にもお互いにリスペクトし合っていて、カーリングシトーンズのすべてがそこから始まっている。そうした信頼が今回のライブの現場でも自然とにじみ出ていた。
たとえばトータスシトーン作詞作曲のアーシーなブルース「わかってさえいれば」は、トータスシトーン自身によるブルースギターの弾き語りから始まる。ブルースは彼の大切なルーツミュージックであり、それをよく理解して斉藤シトーンはドラムを叩き、奧田シトーンはベースを弾き、浜崎シトーンはブルージーなキーボードワークでしっかりサポートする。キングシトーン作詞作曲の「マホーのペン」は、メンバー全員のルーツとも言うべき忌野清志郎に捧げたと思われる曲。ここではトータスシトーンが渾身のマウスハープ(ブルースハーモニカ)ソロを決めて、全員のリスペクトを代弁する。こんなに美しいバンド・ミュージックには、滅多に出会えない。
かと思うと、斉藤シトーン作詞作曲の「出会いたい」では、50代の男たちの妄想が爆発。6人がそれぞれの経験や願望から「こんな子(娘)に出会いたい」と絶叫する姿は、赤裸々過ぎて爆笑を呼ぶ。まるで打ち上げや呑みの席で飛び交うエロトークをそのまま歌にしたような世界観は、このバンドにしかできない芸当だろう。ここではトータスシトーンがパワフルなドラムを叩き、キングシトーンがマウスハープを吹きまくって、斉藤シトーンを盛り立てている。
寺岡シトーンの「Oh! Shirry」は、ただただ♫オシリ、オシリ♪と連呼する歌で、寺岡シトーン自身がドライブの効いたベースを弾いてポップなロックンロールに仕立て上げる。「出会いたい」も「Oh! Shirry」も本当にしょーもない内容の歌なのだが、演奏がカッコいいから文句のつけようがない。
また通常のライブではあり得ないことも起こる。メンバーが尻取りのようにリレー式で曲を作り、その場で新曲として演奏してしまう。6人全員がソングライターだからこそ可能な、画期的な企画だ。その過程のすべてを見せてしまうという前代未聞の試みに、オーディエンスはもちろん大喜びする。
そんなライブの合間に、トータスシトーンが「ドラムの位置からしか見られない景色。客席も見えるし、メンバーの背中を見ながら演奏できるっていうのは、ドラマーの醍醐味やね」としみじみ言うと、同じくドラムを叩く奧田シトーンが「そうなんだよ、いいよね」と相槌を打つ。すると次の曲でキングシトーンがドラムのトータスシトーンの背後に立って、“ドラムからの景色”をニコニコしながら堪能しているではないか。バンドマン同士の率直な化学反応が伝わって、オーディエンスたちも自然と笑顔になるのだった。
全曲の歌詞がスクリーンに映し出されるので、オーディエンスはストレスなく楽しめる。また楽器の持ち替えやポジションチェンジのたびに、メンバーは自分のマイクを持って移動するのでコロナ対策もバッチリ。それを観ながら、僕はかつて観たいろんなシーンを思い出していた。
ウルフルズと奧田シトーンとスピッツが鳥取県境港で共演したイベント“ガッツな息子がキラリ☆”(1996年)やら、奧田シトーンと寺岡シトーンが結成した“寺田”のツアー・ファイナルの寺田倉庫ライブ(1992年)やら、浜崎シトーンと斉藤シトーンが一緒に作った同郷青春ソング「オリオン通り」(2004年)やら、地球三兄弟(奧田シトーンとキングシトーンが在籍)にトータスシトーンが乱入したライブ(2013年)やら、さまざまなエポックが脳裏に浮かんできた。
その全部がゴチャ混ぜになって押し寄せてきたのは「夢見心地あとの祭り」だった。骨太のブギーのリズムに乗って歌われるリリックの端々に、6人のカーリングシトーンズへの思いが溢れ出る。キングシトーンの映画『ブルース・ブラザース』ばりのマウスハープから始まったソロ回しの後、メンバー紹介で奧田シトーンがステージドリンクをうまそうにグビリと飲む。こんなにも自由で、こんなにも楽しいライブがあるなんて。ライブシーンが苦境におちいっている昨今、本当に救われる思いがした。
ギターソロを間違えても差し替えなし。演奏中に他のメンバーに話しかけて邪魔する“掟破り”も収録。驚いたのはアンコールを待つまでの暗転も、ノーカット。さらにはこの時期にトータスシトーンが出演していたNHK朝ドラをネタにした小芝居も完全収録。トータスシトーンを除く全員が女中さんのコスプレで登場するシーンもノーカットで、正真正銘の完全パッケージなのだ。
ちなみにこのライブで、カーリングシトーンズは新しいアルバムの制作とライブツアーの開催を約束してくれた。それが早く実現することを楽しみに待つ間、『またか!いい加減にシトーンズ!~Live at 東京ガーデンシアター2021.03.16~』は必見のアイテムだ。とにかく笑って観てください!
(音楽評論家・平山雄一)
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