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音楽評論家・平山雄一氏によるカーリングシトーンズ オフィシャル・全曲解説 インタビュー掲載!

< カーリングシトーンズ オフィシャル・インタビュー >

 カーリングシトーンズ(以下 シトーンズ)のセカンドアルバムが『Tumbling Ice』完成した。
このアルバムをリリースするにあたって、リーダーの寺岡シトーンは、「まさか2枚目を出せるとは思わなかった。しかもツアーにも出られるなんて奇跡ですよ。メンバーみんながこのバンドを楽しんでいるし、時には拠り所にもなる。そんな場所にシトーンズがなっているのが嬉しい」と語る。

 2018年にライブ・デビューしたシトーンズは、翌19年にファーストアルバム『氷上のならず者』を発表してツアーも敢行。
活動を本格化させると思われた矢先にコロナ禍に見舞われた。
それでも6人はリモートで曲作りを続け、合い間を縫ってライブを行ない、バンドとしての活動を止めなかった。
『Tumbling Ice』はそうしたタフな男たちの音楽愛の結晶だ。

 シトーンズのメンバーは、音楽の好みが同じだから集まったバンドではない。
それぞれがそれぞれの音楽的背景を持ちながら、気の合う仲間が集まって結成された。
なので、いまだに音楽的方向性は未定で、「シトーンズの音楽はこれだ」と言えるものはない。
メンバーが「もしかしたら、これがシトーンズの音楽かも」と思うものを、それぞれが曲を作ることで提示する。
実に民主的なシステムで運営されているバンドなのである。
今回の『Tumbling Ice』にしても1曲1曲がトライの連続で、「シトーンズの音楽」を手探りで作りあげている。

バンド名の由来となったローリング・ストーンズのテイストを持つロックンロールの「デスペラーダー」や、アメリカ南部のロックを彷彿とさせる「反射」、メンバー全員によるコーラスが楽しい「ウッドストック」、ラテン風味の「ソラーレ」など、彼らの思う「シトーンズの音楽」が次々に展開される。
そうしたメンバーたちの音楽性がミックスされたところに、「シトーンズの音楽」が立ち現われるのだ。バンド・ミュージックの醍醐味はそこにある。

メンバーたちはそのことをよく知っている達人ばかり。そして多くのバンドはセカンドアルバムからサードアルバムにかけて、音楽性を確立していく。
ゆえに『Tumbling Ice』はバンドが成熟に至るプロセスを体現しているアルバムだと言えよう。
今からサードアルバムのことを語るのは早計だが、メンバーの切磋琢磨により音楽性が変化してゆくスリルをたっぷり味わえるのが『Tumbling Ice』だ。
バンド・ミュージックを愛するリスナーなら、たまらない作品なのである。

[全曲解説インタビュー] 

――1曲目は「デスペラーダー」。これは浜崎シトーンの作詞作曲です。

浜崎シトーン 去年、テレビ番組のリハかなんかで、「ひとり1曲ずつ作りましょう」みたいな話になったんです。なかなかできなくて。ものすごい頑張って作った曲です。「なまらすべるや」っていうのも含めて、音は聴こえてくるんだけど、意味がよくわからないみたいな。♫シャバダバドゥビ♫とか♫ハッピデュア♫とかそういうのが、最終的には意味を持つような歌になったらいいなと思ったんですよね。

――曲作りに苦労したんですね。

浜崎シトーン そう。カーリングシトーンズって、正体がまだよくわかんないところがあって。ロックンロールとかブルースみたいなところなのかなと思って作りながら、「これがカーリングシトーンズの正体なのではないか?」って考えてみたり。今のところ、1曲1曲を作りながら確認するみたいな感じがあるんですよ。

――カーリングシトーンズらしさって、あってないようなもんですからね。

浜崎シトーン いったいどういうことなんだろうって考えながら作ったので、ちょっと時間がかかっちゃった。

――浜崎シトーンにとって、カーリングシトーンズらしさとは?

浜崎シトーン カーリングシトーンズの曲って、明るい感じとか、意味がないようであるような感じだと思うんで、そういうところを大事にしたのはあります。この曲、最初は別のタイトルが付いてまして。

奥田シトーン 仮タイトルは「君とすべる部屋」だった。

浜崎シトーン 斉藤シトーンが「そのタイトルはよくないよ」って言って、それで付けてくれたのが「デスペラーダー」。インチキ英語みたいな感じですけど(笑)。

――斉藤シトーンはどんな思いを込めてそのタイトルを付けたんですか?

斉藤シトーン デモの段階から「これ、すごくいいね」って話でみんなで盛り上がってて。仮タイトルの「君とすべる部屋」でもいいんだけど、「すべる○○○」は他にもあるから、せっかくいい曲だし、もっとカッコつけちゃっていいんじゃないかなと思って。

――カッコつけて「デスペラーダー」なんだ(笑)。

斉藤シトーン そうそうそう(笑)。横文字!!

――浜崎シトーンは、そのタイトルもらってどう思ったんですか?

浜崎シトーン 「かっちょいいじゃん!」って感じでしたね。

奥田シトーン わりとすぐ他人の意見に、折れます。

浜崎シトーン はい。

キングシトーン みんな、折れるよね(笑)。

トータスシトーン 折れるんじゃなくて、他人の意見をちゃんと聞いてるんじゃない? 

キングシトーン そうね。

奥田シトーン 俺には「これが絶対!」みたいな思いがないのよね。

キングシトーン 俺にもない。みんな、ない。みんな、そこが希薄。それがいいよね。

奥田シトーン なんか他人に言われたら、「ああ、じゃあ、それでいいよ」みたいな。

キングシトーン そうそう、それでいい。

――2曲目の「オイ!」は?

キングシトーン もはやこの曲、懐かしいね。かなり前に作った曲だから。

――こんな元気な「老い」ばっかりだったら、日本も全然問題ないんだけど(笑)。トータスシトーンとしては、自分の出した老人ネタの中では、どれがお気に入りなんですか?

トータスシトーン なんやろね? 「鏡を見たくない」っていうのは、すごくリアルにある。もうね、ホント、鏡見たくないんよ。テレビからなにから、自分が写ったものを見たくない。ここ数年でホントにそこは変わった。自分が写ってるものを一切見たくない。

キングシトーン 前は鏡が大好きだったってこと?(笑)

奥田シトーン そんなこと言うけど、新しくパーマかけてるやん。

トータスシトーン だからかけるわけやんか。少しでも自分で鏡を見る気になるように、自分の様子を変えるわけよ。

――そのわりにはテレビドラマに出てましたよね。

キングシトーン それは悪い言い方してるな(笑)。次の曲に行きましょう。

――3曲目は「それは愛なんだぜ!」。これはムロツヨシさんの初主演映画『マイ・ダディ』の主題歌です。ムロさんは「ソラーレ」のMVにも出演されてます。

奥田シトーン いい映画でしたし、主役もお会いしたことがある方だったし。

トータスシトーン 作ったのは、リレー形式で曲を作るのがシトーンズで流行ってたときや!

奥田シトーン そうね。その流れで立派な映画主題歌を作るのもいいんじゃないかなと。いつも求められてもないのにこっちから「寿司屋のCMにどうですか?」とか「パン屋のCMにどうですか?」とかってやってたから(笑)。その中で、ちゃんとした仕事が来たみたいな。

――ありがたいものですね(笑)。まず奥田シトーンが作って、あとはリレーで作っていった? 

奥田シトーン いや、最初は寺岡シトーンでしょ?

寺岡シトーン 最初はそうね。

奥田シトーン 俺はどこを作ったの? 

寺岡シトーン いやいや(笑)。

奥田シトーン リレーの順番は適当だっけ? 

浜崎シトーン 寺岡シトーンがまず作ってきて、そっからみんなでやろうよって言ったら、奥田シトーンが「だいたいこれでいいんじゃね? 浜崎シトーンが大サビで転調するとこ作ってよ」って言って。大サビのところを作って、コードの一部を変えたのを作ってみたら、奥田シトーンが「なんかよくわかんねえな」って言って、「こんな感じでどう?」って曲の感じをまとめてくれたんだよ。

奥田シトーン じゃあ、俺が作ってるとこなんかないね。

浜崎シトーン いや、なくはないけど(笑)。

奥田シトーン アレンジしたぐらいじゃない? 

トータスシトーン いや、違う。メロディーは残して、コードを大幅に変えた。

奥田シトーン あ、そうだ。Aメロとかね。

トータスシトーン メロディーは同じやけど、コード進行が変わってて面白いなと思った。

――4曲目は「反射」。キングシトーンが今回、唯一作った曲。

キングシトーン そうそうそう。必殺の1曲を出しましたよ。

斉藤シトーン これは今回の合宿の初日、いちばん最初に録った曲。なんか前日に俺とトータスシトーンの二人だけ、前乗りしてた。

奥田シトーン 最初は二人でやってたのよね。

キングシトーン みんなに先行してやっててくれてたの。

奥田シトーン サウンドチェックがてらね。

斉藤シトーン トータスシトーンに「ドラムやってよ」って言って、前の日に二人でやってたら、「こんな感じかな。これでもういいじゃん」って。

――できちゃった(笑)。

キングシトーン そう、俺が行ったときには、ほぼできてた。

斉藤シトーン そうそうそう。で、奥田シトーンがベース弾いて。

奥田シトーン 寺岡シトーンがいないから、ベースは俺が弾いた。

キングシトーン それがホントによくて。

――ちなみに昔のバンドは、曲によってわざと練習しないでレコーディングをやってたらしいですよ。たくさん練習しちゃうと、ダメになる曲もあるから。

キングシトーン それはわかるなあー。俺、歌とか演奏が上手いってことにどんどん興味がなくなってきていて(笑)。シトーンズのみなさんは、そこをわかってくれるからすごい楽。俺と同じ世代の人たちは、そこをわかってくれる。

奥田シトーン ってか、キングシトーンは何回やっても、まったく同じだろうなと思う(笑)。そしたら最初のテイクがいいに決まってる。

キングシトーン そうね。

奥田シトーン それがわかってたから、レコーディングが始まってすぐ、「これ、このまま絶対OKになるんだろうな」と思ったら、途中から緊張し始めて。あげく俺、ベースだったし。

キングシトーン (笑)

――何回もできないから、逆にプレッシャーを感じた。

奥田シトーン そう。曲の構成も全部把握してるわけじゃなく始めてるから「これ絶対OKになるからヤバい」と思って(笑)。

キングシトーン その感じがいいのよ、その感じが。

トータスシトーン それやったら俺も、合宿初日からいきなりドラムやん。めっちゃ渋いテンポで、これヤバいなと思ってた。

キングシトーン よかったよ、トータスシトーンのドラム。

――トータスシトーンも緊張してたの? 

トータスシトーン めちゃくちゃ緊張しました。録ってるとき、「多分これがOKになるんやろ」と思ってやってたから。

奥田シトーン 演奏を間違えたテイクを「これ、いい」とか言って、絶対使われるっていうパターンなの。でもきっと、昔はそんなんだらけですよ。きっとザ・バンドの時代も。

――当時のミュージシャンはあんまり気にしてなかったんじゃないかな。

キングシトーン そうそうそう。そういう感じが好きなんですよね。

――それはキングシトーンの自己弁護ですね。

キングシトーン 自己弁護、大好きだからねー。

――5曲目は「ドゥー・ザ・イエローモンキー」

トータスシトーン 「オイ!」と同じ日に作った。もっと前に作ったのは「カリフォルニア」と「ウッドストック」かな。

――「カリフォルニア」は最初のライブですでに披露してました。

トータスシトーン 「カリフォルニア」を浜崎シトーンたちが作ったころは、シトーンズがもっとノベルティソングよりのバンドやった。だんだん音楽的になっていった部分がある。だから「ドゥー・ザ・イエローモンキー」も、どっちかいったらノベルティソングよりの曲です。 

――6曲目は「天地無用の幸せを」。

斉藤シトーン これは宅配ドライバーの歌ね。合宿に行く2日前ぐらいにできた。ラジオで宅配ドライバーの人たちが本音を語るみたいな番組をよくやってたときがあって、ドライバーの人たちが何人か出てきて、「この時間に来てくれっていうのに、行ったら留守だった。そういうのがきついんです」とか言ってんのを聞いて、へーっと思ってたのを急に思い出して、そういう歌にしようと思ったんです。みんなで演奏して楽しそうな曲を作りたいっていうか。「何しとん?」(『氷上のならず者』収録)のときも、シトーンズのみんなでギターでハモれたり。今回の「天地無用の幸せを」も、演奏したら楽しそうっていう気持ちはありましたね。

――みんなが昔のロックとかを意識してるのに、斉藤シトーンだけはこういうラテン・テイストの曲を平気で作っちゃいますよね。

斉藤シトーン え、そう?

トータスシトーン そういやあ、「何しとん?」もラテンっていえばラテンだった。

――歌詞は宅配で働いてる人たちを思いやったりしてる。

斉藤シトーン なんとなく。

――ちなみに斉藤シトーンは、Uberとか出前館とか、よく使うんですか?

斉藤シトーン 使いますね。使う使う。

――ちゃんと配達の時間にいるんですか?

斉藤シトーン いたりいなかったり(笑)。

奥田シトーン いなかったりって。

斉藤シトーン なので最近、自作で宅配ボックスを作って。

――えらい!!

奥田シトーン この曲もひとり休んでたから、僕がベースなんで。

――7曲目は「ウッドストック」

寺岡シトーン これはもういちばん最初のころの曲。シトーンズがいちばん最初に作った曲が、「俺たちのトラベリン」だった。あのころはみんな、どんなバンドになるのかわからなかったから、手探りで曲を作ってたと思うんです。それで僕はニール・ヤングのいたグループ、バッファロー・スプリングフィールドとかクロスビー.スティルス.ナッシュ&ヤングみたいな、みんなでハモる曲をやってみたいなっていう感じで作った。

奥田シトーン この曲は楽器でもそれらしくしたからね。

斉藤シトーン マンドリンを入れたりね。

奥田シトーン そうだっけ? 録音がもう昔すぎて、思い出があやふやだね。

寺岡シトーン 2019年ですもんね。 

浜崎シトーン でも前作アルバムには含まれなかった。

――♫僕たちに彼らほど 燃え尽きるものがあったかな♫っていう歌詞が、グッと来ます。

浜崎シトーン そこは寺岡シトーンが作った。

奥田シトーン 健在のころにね。

キングシトーン 健在シトーンのころね。

奥田シトーン 健在シトーンって、一応全員健在じゃん(笑)。

――寺岡シトーンには燃え尽きるものがあったんですか?

寺岡シトーン とにかく「スベり知らずシラズ」とかできる全然前なんですよ。カーリングシトーンズっていう名前も決まってなかった。だから手探りで書いたっていう。

――コーラスもキマってます!

奥田シトーン こういうメンバーだからできる感じはしますよ。ソロだとやらないよね。

斉藤シトーン 6人みんなでハモってっていうのがいいなと思った。

――8曲目の「カリフォルニア」は?

寺岡シトーン これが出来たのは「俺たちのトラベリン」の次ぐらいじゃないですかね。

奥田シトーン 要するにシトーンズで外国に行きたかったんだよね。

寺岡シトーン (笑)

浜崎シトーン 寺岡シトーンが「こんなの作ったんだけど、聴いてくれる?」って言って、聴かせてもらった。「カリフォルニア」っていうタイトルで、めっちゃ80’sみたいなロックンロールだったんでおもしれえなと思った。

寺岡シトーン シトーンズっていう名前が付く前だから、みんなでハモるぐらいしかアイデアがなかったんですよ、「ウッドストック」も「カリフォルニア」も。だからサビをみんなでわーって熱くハモるようにして、80年代のMTVみたいな感じで作ってみたんです。歌詞は浜崎シトーンがほとんど書いてくれた。

浜崎シトーン バンドのコンセプトがまだ決まる前だったんで、適当に書きすぎて寺岡シトーンに悪いことしたなって(笑)。

寺岡シトーン そんなことない(笑)。

トータスシトーン 合宿のとき、浜崎シトーンが確かに言ってた。「適当に歌詞書きすぎて、寺岡シトーンに悪いことしたなあ」って(笑)。

奥田シトーン 「悪いことしたな〜」。

キングシトーン それ、寝言で言ってたの?

奥田シトーン 寝言って(笑)。

――「カリフォルニア」のエンディングでギターをしつこく弾いてるのは誰ですか?

寺岡シトーン あれは斉藤シトーン。

トータスシトーン 確かにしつこい(笑)。

奥田シトーン あとで足したヤツだよね?

斉藤シトーン そうそうそう。最近、リモート・レコーディングを覚えたもんだから、ついつい嬉しくなって長く弾いちゃうんですよね(笑)。

奥田シトーン 終わっても弾いてたもんね。

斉藤シトーン あれはフェードアウトするもんだと思ってたら、しっかり使われてた。ノリノリでずっと弾いちゃったけど、適当に切るだろうなと思ったら、ずっと使われちゃって(笑)。

――9曲目は「AB/CD」

トータスシトーン このときはバンド名がまだAB/CDだったんですよ。AB/CDに決まったって話がきて、「じゃあ、テーマソングを作ってみよう」って思って、わりとサクッと作ったのよ。

――ホントはこれがバンドのテーマ曲だったんだ。

トータスシトーン テーマ曲みたいなつもりでね。なんかひとつそういうのがあると、景気がいいかなと思って。シャレを効かして「AB/CD」って言葉をみんなでいっしょに言ったりなんかして、ライブで盛り上がる曲ができたらいいなと思って書いたんですけど。そのちょっとあとにバンド名が変わったんです(泣)。

――(笑)

浜崎シトーン この曲さ、コード進行がABCDなんだよね。そこもすごいよね。

トータスシトーン でたらめのつもりでふざけて作ったんですよ、自分なりに。みんながアホやなと喜んでくれるかなと思ったんやけど、バンド名変わったから、なんかよくわかんなくなった(笑)。

奥田シトーン 「バンド名が変わった」って言ったときに、なんならトータスシトーンはちょっとムクレてたもんね。

トータスシトーン 「バンド名、変わんのかよ!」みたいな。「じゃあ、入れんでいいんちゃう」と思うぐらい凹んだで。

寺岡シトーン (笑)

――ファーストアルバムには入れなかったんだ。

トータスシトーン そのときはまだ音が録れてなかった。

奥田シトーン ライブではやってたけど。

トータスシトーン ライブでやるためのたたき台のデモぐらいしかなかったんかな。

――では今回、復活おめでとうございます!(笑)。

トータスシトーン いやいや(笑)。「なんでAB/CDなんや?」って話よね。

奥田シトーン でも全然いいんじゃない?

トータスシトーン みんなで楽しめるパーティーソングですね。

――10曲目は「カーリングシトーンズのテーマ スべりたいな」。これを作ったときには、さすがにバンド名は決まってたんですか?

寺岡シトーン 決まってました。ライブの直前にSEとして作った。

奥田シトーン SEだもんね。出囃子だもんね。

寺岡シトーン そうそう。出囃子、出囃子。

――出囃子があるバンドって、すごいなあ(笑)。

奥田シトーン 完全にそのために作られたものだったですもん。演奏するっていうものではなかったからね。あとから無理やり俺らも声を入れて、みたいな。

――11曲目は「ソラーレ」。

奥田シトーン これは最後のほうに作られた。「反射」とか「天地無用の幸せを」とか「デスペラーダー」をやってる間もまだできてなくて、みんなはもう俺は曲を作らないんだろうと思ってたらしくて。

トータスシトーン 今回はもう作らへんねやって。

奥田シトーン でも俺は頭の中にはあったんです。だけどデモテープにも何にもしてなくて。それで、「うわ、次、俺の曲の番じゃん」ってなったときに歌詞がまだできてなくて、ちょっとキレ気味に浜崎シトーンに言ったんです。

――どっちがキレてたの?

奥田シトーン 俺が逆ギレ気味に。

浜崎シトーン レコーディングの前の日の夜になっても歌詞がなかったんだよね。なぜか奥田シトーンが、「歌詞を作るなんて、恥ずかしくてできねー」とか言いはじめて。

斉藤シトーン 言ってた(笑)。

浜崎シトーン 「えー?」みたいな。

トータスシトーン 言ってた言ってた(笑)。

浜崎シトーン 何を言ってんのかなと思って。

トータスシトーン あれ、そういう伏線やったんやな。

奥田シトーン そうよ、間に合わんから言ってたんよ。

浜崎シトーン でもみんなで歌詞について話してる間に俺、眠くなっちゃって。すぐ寝ちゃったんですけど。

奥田シトーン 俺も寝てたでしょ。

トータスシトーン 寝てた。

浜崎シトーン それで朝起きて、デモ録る感じで曲ができていったら、すげえいい曲にはなってたけど、歌詞はまだなかった。でもメモはあった。

奥田シトーン 二言ぐらい気のきいた言葉がありゃ、あとはみんなが「それならこうや!」とか言うだろうなと思ってたから。ちょっとこう、巻き舌になるような言葉? 要はジプシーキングスが歌ってるような。

――ネタばれじゃん!

トータスシトーン (笑)

――♫クールな表情で コールドな氷上で♫って、ちゃんと韻を踏んでる。

奥田シトーン そこはもう作ってたよ。そこだけはちゃんと頭を使ったんですよ。あとはもう皆さんがやってくれるかと。

浜崎シトーン なんかメモ書きがあったんで、俺はそれを構成して「1番はこんな感じじゃねえの?」って言って。でも2番を作るのは面倒くせえっていうか(笑)、大変だなと思ったんで、「トータスシトーン、2番、お願い」って言った。で、俺がBメロ作って、3番みたいなとこはキングシトーンに作ってもらって。斉藤シトーンはその間、「こうしたらいいんじゃない」とかああだこうだ言ってたから、いろいろ却下して、一部採用してみたいな感じで歌詞が出来上がった。で、最終的にはベースを奥田シトーンが弾くのかなって。

奥田シトーン でも寺岡シトーンの代わりに弾くのはもうやりすぎだっていうことで、とりあえず仮で俺が弾いとくから、後日、寺岡シトーンが弾いてねって言って。あとでちゃんとやってもらったんですよね。

浜崎シトーン 俺が「残しといてやれよ」って言ったんだよ(笑)。

――その友情、泣けますね(笑)。

奥田シトーン いやいや、俺もやりながら、「これは技術的に、俺には無理だ」と思ってたからね。これはちゃんと寺岡シトーンに弾いてもらったほうがいいやと思って。

――12曲目は「ちぃ〜な」。まったく意味不明の曲なんですけど(笑)。

奥田シトーン これは問題作よ。前から浜崎シトーンが、自分のライブでやたら「ずっち〜な」を連発してたんです。なんならだんだん上手になってって、本家を超えたオリジナルみたいになってきてたから、それを使ってもう1曲全員で作る曲があってもいいねという話になった。じゃあ、もう「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」的なセリフで行こうかって。

斉藤シトーン 「ずっち〜な」を合間に一言いうだけで、あとはロックンロールで、これはもうできるぞと思って。「じゃあ、こんな感じかね」って、トータスシトーンのベースと、奥田シトーンのドラムと俺のギターの3人でやった。2テイクぐらいしか録ってないよね。 

トータスシトーン そうやね。リハを一回やって、それを録って本番みたいな。

奥田シトーン 要するにセリフの二人がちゃんと掛け合いしたのは、あの一回だけなのかな。

キングシトーン 一回だけ。

トータスシトーン 楽器も何もやらんで、そこにあったヤツを弾いただけやからね(笑)。だから斉藤シトーンは俺のグレッチ弾いてるし、俺は奥田シトーンのベースがアンプに差してあるのをそのまま弾いただけやもんね。

奥田シトーン 置いてあったヤツそのまま。前の曲のまま。

斉藤シトーン そうだそうだ。僕はトータスシトーンのギター弾いたわ。

――よく作りましたね。

トータスシトーン 作ってはないよ。もうセッションの音だけみたいな。

――それをアルバムに入れちゃうのがシトーンズらしい。

奥田シトーン 基本、全部「ずっち〜な」のはずだったんです。それがなんか話の流れでどんどん変わっていってるのがおもろくて。

キングシトーン そうだよね。もう最後の一周はネタが無くなってる(笑)。だからイエーイとかファンキーとか言っちゃってさ(笑)。

トータスシトーン ♫浜ちゃんファンキー!♫(笑)。

奥田シトーン ただただ盛り上げようとしてる(笑)。

キングシトーン 浜崎シトーンがなんか言ってくれてんだけどさ、ぼや〜っとしてるんだよね。

【エピローグ】

――寺岡シトーンは今までの皆さんの話を聞いて、自分がいなかった合宿の3日間をどう思いましたか?

寺岡シトーン 撮影のときにみんなに久々に会ったとき、みんなが「あのとき楽しかったね」って話を横で聞いてて、すげえ寂しくなった(笑)。合宿は楽しかったに違いないよ。ああ、残念。

――ツアーに関しては、どんな意気込みで?

寺岡シトーン もともと東北とか北海道とかに行きたいなと思っていたんですけど、それが中止になったりしていたんで、やっと北の方に行けるかなっていう感じはありますね。これでやっとシトーンズとして、一応全国を回ったって感じにはなるのかなって気はします。

トータスシトーン 北の酒場通りに行かないと(笑)。

キングシトーン 宇都宮もあるしね。

――宇都宮では浜崎シトーンと斉藤シトーンが故郷に錦を飾ることになります。

浜崎シトーン そこをスルーすることはできない。南下して栃木もやってくださいってお願いしたら実現しました。

――ということは、カーリングシトーンズで「オリオン通り」をカバーするのはありえるんですか?

浜崎シトーン あらっ。

斉藤シトーン あー。

――言っちゃいけなかった?

奥田シトーン やってもいいよ。

浜崎シトーン ありなんじゃないですか?

奥田シトーン そういうのをやって、客も「おおーっ」てなってるところで、「いやいや、違うやろ違うやろ。俺もやりたなってきたわー」っていうっていうのがあったりして。

キングシトーン あれ? 誰が誰が、何を?(笑)

――(笑)そういう芝居はトータスシトーンが得意だからね。

トータスシトーン 僕ね、得意でやってるんじゃないんですよ。やめてください(笑)。

――(笑)どうもありがとうございました。

シトーンズ ありがとうございました。 

                                               Text by 平山雄一