DISCOGRAPHY
ギンモクセイ
その切なくも清々しく、爽やかな歌声は、アナタのココロを優しく包む。
J-POPに連綿と続く女性シンガーソングライターのオーセンティックなスタイル。
時代は変われど、想いは変わらない。
曽根由希江 デビュー。
"キミを一番に愛せたのは 私でありますようにと..."
この想いが届けばいいのに...。
忘れられないあの人のことを想う時ひとり心の中でつぶやくことありませんか?
「花言葉=初恋。ギンモクセイの香りただようセツナ恋唄」
ほのかで確かなギンモクセイ
2010年10月に女性シンガーソングライター(以下「女性SSW」)の曽根由希江がシングル「ギンモクセイ」でデビューする。内気な女性が胸に秘めた想いをつづったミディアム・バラードで、歌詞の内容もさることながら、彼女の声も小さくほのかに香るギンモクセイのようで清々しく爽やかだ。それでいて、裏声一歩手前の艶やかな高音に感情的な言葉が乗ると、まるで小さな花が弾けたように胸がキュンとなる。そして、そんな切ない歌なのに、聞いた後は不思議と穏やかな気持ちになり、確かにもう一度聴きたくなるのだ。
曽根由希江はデビュー以前から、ラジオのパーソナリティーやTVのリポーターとして活躍してきた。彼女のトークは、ややハイテンションで人懐っこく話すというスタイルが人気で、その様子は、ギンモクセイというより、強い香りで周囲を華やかに変えるキンモクセイ(=金木犀)に近いかもしれない。しかし、いったんピアノを前に弾き語りを始めると、またギンモクセイさながらの爽やかな歌を紡ぎ始める。このトークから歌へのスイッチの入り方は、1970年代や80年代から活躍してきた女性SSW達を想起させる。歌とトークは一見逆方向ながら、どちらも人の正面に向かって送られているような印象を持つ。そして、トークを聴いては歌を、歌を聴いてはトークを、互いに好きになっていくのだ。
現代のヒット曲は、テレビの情報番組やスポーツ紙、そしてインターネットなどのニュースを発端として口コミにより大きく広がるケースが多い。但し、その中には、デフォルメされた数字やエピソードもあり、ともするとその"情報"ばかりが暴走しているのも少なくない。他方、曽根由希江の場合は、ギンモクセイのささやかさが自然に好きになるように、彼女の歌もまた、何度か聴くうちに自然と心に浸透していく。彼女の歌には騒音に消されてしまいそうなほのかさと、流行に左右されない確かさが共存しているのだ。そして、この味わいこそが、現代の商業主義が見落としてきた音楽本来の楽しみ方ではないだろうか。
1970年代以降、レコードからCD、さらには音楽配信へと、楽曲の発表形式の変化に伴って、ヒット・アーティストの傾向も様変わりしてきたが、女性SSWのブレイクは連綿と続いている。これは、女性SSWが流行に関係なく時代に受け入れられているという何よりの証拠だろう。そして、曽根由希江が、情報で溢れるエンタメ市場において、正当な評価を受けるべく"ギンモクセイ"として、徐々に香りを放っていくのではないだろうか。あなたにもじっくり味わってほしい。
1.ギンモクセイ | |
---|---|
2.あおげばとうとし | |
3.ギンモクセイ ‐Vocal-less Track‐ | |
4.あおげばとうとし‐Vocal-less Track‐ |