平原綾香がプレミアム感満載の試聴会を開催
出来たてホヤホヤの新譜に感涙するファンも!「平原綾香がクラシックに恋をした!」というキャッチフレーズで09年にスタートした彼女のライフ・ワーク、『my Classics』。クラシックのカバーに自作詞をのせるスタイルでファンの支持を集めるこのシリーズの第3弾、『my Classics3』が3月2日に発売される。それに先駆け、2月3日に「プレミアム試聴会」(会場:FM東京ホール)を開催。1万通の応募の中から選ばれたファン200名が招待された。
先に登場したのは司会のChigusa。彼女が「編集を終えたばかりの出来たてホヤホヤの音源を聴いていただきます」と挨拶すると、参加者の興奮が静かにそして熱く高まっていく。
続いて現れた平原も音源について「1曲だけはラフ・ミックス。 それ以外は完璧」と紹介し、司会者も「ラフ・ミックスが世に出る機会はあまりないので、一層、プレミアム感が増しますね」と応えた。
さて、シリーズ3作目となる本作だが、彼女のスタンスは変わらない。「気持ち的には一枚目から一緒」とし、「しっかり原曲を聴いて、クラシックを愛している方にも感謝と尊敬の気持ちを込めて。そして、作曲家の方がどんな気持ちで書いたのかを調べて、一曲一曲、魂を込めて作っていこう」との姿勢が通底する。でも、彼女の中では変化もあった。
「歌詞を書くことが段々と幸せに変わっていったような気もします。感謝して幸せな気持ちで、笑顔でやろうという気持ちにね。そこが一番大きな変化かな」
また、この作品はリスナーのリクエストに基づいており、ファンは「自分の希望がどう反映されたのか?」というドキドキ感も楽しんでいる様子だ。 そして本人の曲への想いをタップリ聞いた後にはお待ちかねの音源披露。スクリーンには歌詞も映し出され、彼女のメッセージがより深く響く。
アルバムの収録曲はボーナストラック2曲を含め全14曲だが、今回はその内の11 曲がピックアップされた。
ポジティブ・ソングをメインに据えた前半の1曲目はE.エルガーの「チェロ協奏曲第1楽章」をベースに、生きることへの力強さを歌った「私の言う名の孤独」。平原は「私のアルバムを聞いている人も新しいなと思ってもらえる、いわば、新境地」と自信を見せ、作品でもオープニングを飾る。
続いたのは、新たな事を始める人への応援歌、「春~La Primavera!~」(原曲:ヴィヴァルディの『四季』より「春」)、そしてJ.S.バッハの「アリオーソ」をカバーした「What will be will be」。「原詞を見ると『終わりが良ければ、全て良し』と書いてあって。でも、この詞はそれ以上に前向きでバッハに怒られちゃうかも」(「What will be will be」)といったユーモラスな語り口に会場が和む。
そして、故郷を離れた我が子を思う親をイメージした「Danny Boy」(原曲:アイルランド民謡)、「1万人の第九」をきっかけに生まれた「LOVE STORY交響曲第9番第3楽章」を歌い終えた後は再びトークへ。後半では平原本人も客席後方へと移動し、ファンと同じ目線で自曲に聴き入った。
N.リムスキー=コルサフの「熊蜂の飛行」をスキャット風に演じた「くまんばちの飛行」で幕を開けた後半も注目曲がズラリ。
例えば、ブラームスの「交響曲第3番第3楽章」をモチーフにした「ブラームスの恋」は彼女の“今"を見る曲。
シューマン夫人をずっと思い続け生涯独身を貫いたブラームスが60歳の時に26歳のアルト歌手に恋をしたというエピソードに、同じく26歳の平原が「ドキッとした」「この曲には恋を超えた何かがある」として書いた詞だ。
また、野村不動産のCMでもお馴染の「Someone to watch over me」(原曲:ガーシュインの同名曲)、特に思い入れがあるというS.ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」をカバーした「ラヴ・ラプソディー」も紹介されるが、CDを聴くだけで終わらないのがこのイベントの“プレミアム"たる所以。 司会者が客席に「生歌を聴きたくないですか?」と問いかけると、平原がすかさず「歌いたい!」と応じ、最後は「大きな木の下」(Tokyo FM「クラレ“ランドセルは海を越えて"presentsいいこと宣言」テーマソング)とF.ショパンの同名曲をベースにした最新シングル「別れの曲」を生歌で披露。